相続・手続き

親が亡くなったらクレジットカードや携帯電話はどうする?

解約が必要な契約と手続きをわかりやすく解説

親が亡くなった後は、役所や銀行、年金、生命保険、相続など、さまざまな手続きが必要になります。

その中で意外と忘れやすいのが、親が生前に契約していたサービスの解約や名義変更です。

「クレジットカードはそのままでいい?」
「携帯電話はいつ解約する?」
「電気や水道はすぐ止めたほうがいい?」
「何のサブスクに入っていたのかわからない……」

こうした疑問を持つ方も多いでしょう。

特に注意したいのは、亡くなったからといって、すべての契約が自動的に解約されるわけではないことです。

使っていないサービスでも料金が発生し続ける可能性があります。

親が亡くなった後は、相続手続きと並行して「毎月支払っていたもの」を確認していきましょう。


まずは「親が契約していたもの」を探そう

最初から一つひとつの会社へ連絡する必要はありません。

まず、どんな契約があったのかを洗い出します。

確認しやすいのは、

・銀行の通帳
・クレジットカードの利用明細
・郵便物や請求書
・メール
・スマートフォンのアプリ
・契約書類

などです。

特に通帳やカード明細を見ると、毎月同じ会社から引き落とされている料金を見つけられることがあります。

「何を契約していたのかわからない」という場合は、まず毎月のお金の流れを見るところから始めましょう。


親の死亡後に確認したい契約一覧

代表的なものは次のとおりです。

① クレジットカード
② 携帯電話・スマートフォン
③ 電気・ガス・水道
④ インターネット・固定電話
⑤ 動画・音楽などのサブスク
⑥ 新聞・定期購入サービス
⑦ NHK・ケーブルテレビなど
⑧ その他の会員サービス

全部を一日で終わらせる必要はありません。

まずは、毎月料金が発生している契約から優先的に確認すると進めやすくなります。


① クレジットカードはカード会社へ連絡する

親名義のクレジットカードが見つかったら、カード会社へ連絡して死亡したことを伝え、解約手続きを確認します。

例えば三井住友カードでは、カード会員が亡くなった場合について、親族から退会手続きを行える仕組みを案内しています。解約時に支払いが残っている場合は、その精算も必要です。

注意したいのは、

親名義のカードを家族がそのまま使わないこと。

家族カードなどについても扱いが変わる可能性があるため、カード会社へ確認しましょう。

また、

・ETCカード
・電子マネー
・ポイント
・カード払いになっている公共料金
・カード払いのサブスク

なども確認します。

クレジットカードだけ解約すると、それまでカード払いだったサービスの料金が支払えなくなる可能性があります。

そのため、カードの解約前に「このカードで何を払っていたか」を確認するのがおすすめです。


② 携帯電話・スマートフォン

親名義の携帯電話も確認します。

携帯電話会社では、契約者が亡くなった場合、

契約を解約する

または

家族などが契約を引き継ぐ

といった手続きを用意している場合があります。

例えばNTTドコモでは、契約者死亡時について「承継」と「解約」の手続きが案内されています。解約する場合には、死亡の事実を確認できる書類などが必要になります。

ただし、携帯電話はすぐに解約しないほうがいい場合もあります。


携帯電話をすぐ解約しないほうがいい理由

親のスマートフォンには、大切な情報が残っている可能性があります。

例えば、

・家族や知人の連絡先
・メール
・写真
・契約サービスのアプリ
・ネット通販の履歴
・金融サービスの情報
・各サービスの認証

などです。

さらに、オンラインサービスのログイン時に、SMSで本人確認コードが届くこともあります。

そのため、

必要な情報が残っていないか確認する
↓
必要なデータを整理する
↓
各サービスの手続きをする
↓
携帯電話を解約する

という順番を検討するとよいでしょう。

ただし、故人のアカウントやデータへのアクセスについては各サービスの規約等に従ってください。


③ 電気・ガス・水道

実家の電気・ガス・水道も忘れず確認します。

ここでは、

誰かが引き続き住むのか

それとも、

誰も住まなくなるのか

によって対応が変わります。

例えば東京ガスでは、契約者が亡くなった場合、ガス・電気を使わない場合は使用停止(解約)、引き続き使用する場合は契約者の名義変更を案内しています。

水道についても、自治体・水道事業者へ名義変更や使用中止を申し出ることになります。自治体によって手続き方法が異なるため、実家の所在地を管轄する水道局等へ確認しましょう。


空き家になるからといって、すぐ全部止める?

ここは少し注意が必要です。

誰も住まなくなるからといって、すぐにすべてのライフラインを停止することが最適とは限りません。

例えば実家を整理するとき、

・照明を使う
・掃除機を使う
・水を使って掃除する
・売却前に不動産会社などが確認する

といった場面があります。

遺品整理や売却の予定があるなら、

「いつまで電気・水道が必要か」

を考えてから停止日を決めるとよいでしょう。

👉 関連記事:親が亡くなったら家はどうする?実家・不動産の相続と名義変更を解説


④ インターネット・固定電話

実家に、

・光回線
・ホームルーター
・固定電話
・ケーブルテレビ

などがないか確認します。

特にインターネット回線は、

回線契約とプロバイダー契約が別になっている

場合もあります。

また、レンタルしているルーターなどの機器について、返却が必要になることもあります。

請求書や通帳、カード明細などから契約会社を確認しましょう。


⑤ サブスク

近年、特に見落としやすいのがサブスクリプションサービスです。

例えば、

・動画配信
・音楽配信
・電子書籍
・オンラインストレージ
・アプリの有料プラン
・ネット通販の有料会員
・食品などの定期購入

があります。

一つひとつは少額でも、複数契約していると毎月料金が発生します。

スマートフォンやパソコンだけでなく、

銀行口座・クレジットカードの明細

から定期的な支払いを探してみましょう。


⑥ 新聞・定期購入

新聞や雑誌、健康食品などの定期購入も確認します。

実家に商品や新聞が届き続けている場合には、契約先へ連絡しましょう。

特に、

毎月届く商品

は契約の存在に気づきやすいため、郵便受けや宅配物も確認しておくと安心です。


⑦ NHK・ケーブルテレビなど

テレビ関連の契約も確認しておきましょう。

NHKのほか、

・ケーブルテレビ
・衛星放送
・有料チャンネル

などを契約している場合があります。

継続して利用する人がいる場合と、誰も利用しなくなる場合とでは必要な手続きが異なるため、それぞれの契約先に確認します。


銀行口座を先に解約してしまって大丈夫?

ここが契約整理で重要なポイントです。

親の銀行口座から、

電気代
携帯料金
クレジットカード代金
インターネット料金
保険料

などが引き落とされている場合があります。

銀行口座が利用できなくなると、それまで自動引き落としされていた料金が支払われなくなる可能性があります。

そのため、口座の相続手続きを進める際には、

「この口座から何が引き落とされているか」

も確認しておきましょう。

👉 関連記事:親が亡くなったら銀行口座はどうなる?凍結・解約・相続手続きを解説


解約するときに用意しておきたいもの

契約先によって異なりますが、一般的には、

・契約者の氏名・住所
・お客様番号・契約番号
・死亡したことを確認できる書類
・手続きをする人の本人確認書類
・故人との関係を確認できる書類

などを求められることがあります。

ただし、必要書類は会社によって異なります。

いきなり書類を集めるより、

まず契約先へ「契約者が死亡した」と連絡し、必要書類を確認する

と効率的です。


何を契約していたかわからないときの探し方

「親がお金のことを全部管理していて、何を契約していたかわからない」

というケースも珍しくありません。

その場合は、

STEP1 通帳を見る
毎月・毎年の引き落としを確認

STEP2 カード明細を見る
定期的な支払いを確認

STEP3 郵便物を見る
請求書・更新通知などを確認

STEP4 メールを見る
契約・決済通知などを確認

STEP5 実家を見る
ルーター、固定電話、新聞、定期配送品などを確認

という順番で探していくと整理しやすくなります。


「解約チェックリスト」を作っておこう

契約が多い場合は、一つずつ覚えておくのは大変です。

紙やスマートフォンのメモに、

契約名|支払方法|連絡済み|解約済み|名義変更済み

という簡単な一覧を作っておくと便利です。

兄弟姉妹など複数人で手続きをする場合にも、

「誰がどこへ連絡したのかわからない」

という状況を防ぎやすくなります。


親が元気なうちにできる「契約のそなえ」

死亡後の契約整理を楽にする一番の方法は、生前に契約を整理しておくことです。

難しい終活を始めなくても、

・使っていないカードを解約する
・不要なサブスクをやめる
・公共料金の支払先を整理する
・契約一覧を作る
・重要書類の保管場所を家族に伝える

だけでも十分な「そなえ」になります。

特にサブスクなどのデジタル契約は家族から見えにくいため、契約サービス名だけでも残しておくと安心です。


まとめ|死亡後の契約は「自動で全部止まる」と思わない

親が亡くなった後は、銀行や相続などの大きな手続きに目が向きがちです。

しかし、

クレジットカード
携帯電話
電気・ガス・水道
インターネット
サブスク
新聞・定期購入
テレビ関連サービス

などの契約も忘れずに確認しましょう。

ポイントは、

① 通帳やカード明細から契約を探す
② 続けるもの・やめるものを分ける
③ 続ける契約は名義変更を確認する
④ 不要な契約は解約する
⑤ 解約したものを一覧で管理する

ことです。

すべてを一度に終わらせる必要はありません。

まずは「毎月何にお金を払っていたのか」を確認するところから始めましょう。

そして、自分自身についても契約を一覧にして家族がわかるようにしておくことが、将来の負担を減らす大切な「そなえ」になります。

-相続・手続き