相続・手続き

親が亡くなったら生命保険はどうする?死亡保険金の請求方法と保険の探し方を解説

親が亡くなったあと、忘れずに確認したいものの一つが生命保険です。

「親が生命保険に入っていたか分からない」
「保険証券が見つからない」
「死亡保険金は相続財産になるの?」
「相続放棄をしても受け取れる?」

突然のことで、何から確認すればいいのか分からない方も多いでしょう。

生命保険は、契約内容によって受取人や税金の扱いが異なります。また、家族が契約そのものを知らず、死亡保険金を請求できていないケースも考えられます。

この記事では、親が亡くなった後の生命保険について、保険の探し方から死亡保険金を受け取るまでの流れをわかりやすく解説します。


親が亡くなったら、まず生命保険を確認しよう

親が亡くなったときは、生命保険に加入していなかったか確認しましょう。

まず探したいのは、

  • 生命保険証券
  • 保険会社からの郵便物
  • 契約内容のお知らせ
  • 保険料の控除証明書
  • 預金通帳の引き落とし履歴
  • クレジットカードの利用明細
  • メール
  • スマートフォンの保険会社アプリ

などです。

生命保険協会も、契約が分からない場合には、まず保険証券・保険会社からの通知物・預金通帳の保険料の口座振替履歴などを確認するよう案内しています。


生命保険が見つかったら何をする?

生命保険への加入が分かったら、契約している保険会社へ連絡します。

一般的には、

①保険証券などで保険会社を確認
↓
②保険会社へ死亡したことを連絡
↓
③死亡保険金の受取人を確認
↓
④必要書類を準備
↓
⑤死亡保険金を請求
↓
⑥保険会社による確認・審査
↓
⑦死亡保険金の受け取り

という流れになります。

必要書類や手続き方法は保険会社・契約内容によって異なるため、まず保険会社へ問い合わせましょう。


保険証券が見つからない場合は?

「生命保険に入っていたはずだけど、どこの保険会社か分からない」

という場合でも、すぐに諦める必要はありません。

通帳を確認して、

「○○生命」「○○保険」

などの引き落としがないか探してみましょう。

郵便物やメール、年末調整・確定申告に使った生命保険料控除証明書などから分かることもあります。

それでも見つからない場合には、次の方法があります。


「生命保険契約照会制度」を利用できる

生命保険協会には生命保険契約照会制度があります。

親族などが死亡した場合、亡くなった方が保険契約者または被保険者となっている生命保険契約の有無を、生命保険協会の会員会社に確認できる制度です。

2026年8月時点では、平時利用の料金は、

WEB申請:6,000円
書面申請:7,000円

となっています。

ただし、すべての保険が対象になるわけではありません。

死亡保険金がすでに支払われている契約、解約済み・失効済みの契約などは対象外です。

そのため、

①自宅を探す
②通帳・郵便物・メールなどを確認
③それでも分からなければ生命保険契約照会制度を検討する

という順番がおすすめです。

生命保険契約照会制度|生命保険協会


死亡保険金は「相続財産」になる?

ここは少し分かりにくいところです。

契約によって異なりますが、受取人が指定されている死亡保険金は、原則として受取人固有の財産となり、通常の遺産分割の対象となる相続財産とは扱いが異なります。

一方で、税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になる場合があります。

国税庁も、亡くなった方が保険料を負担していた生命保険金について、一定の場合に相続等によって取得したものとみなして相続税の対象になると説明しています。

つまり、

「遺産分割上の扱い」と「相続税上の扱い」は同じとは限らない

という点を覚えておきましょう。


死亡保険金には相続税がかかる?

亡くなった親が保険料を負担し、相続人が死亡保険金を受け取った場合には、相続税の対象になることがあります。

ただし、相続人が受け取った死亡保険金には非課税枠があります。

死亡保険金の非課税限度額

500万円 × 法定相続人の数

です。

たとえば法定相続人が、

母・長男・長女の3人

だった場合、

500万円 × 3人 = 1,500万円

が非課税限度額になります。

ただし、この非課税制度は誰が受け取っても使えるわけではありません。

相続人以外の人が取得した死亡保険金には、この非課税枠は適用されません。


受取人以外で死亡保険金を分けてもいい?

ここにも注意が必要です。

たとえば、

死亡保険金の受取人:長男
実際に受け取った人:長男

という契約だったとします。

長男が受け取った死亡保険金を、

「相続人みんなで平等に分けよう」

として母や兄弟へ渡すと、税務上は単純な遺産分割にならない可能性があります。

国税庁は、契約上の受取人である子が受け取った死亡保険金を母へ分けたケースについて、子から母への贈与となり、贈与税の課税対象になると説明しています。

死亡保険金は、通常の預貯金と同じ感覚で分けないよう注意しましょう。


相続放棄を考えている場合は?

親に多額の借金がある場合、

「相続放棄したら死亡保険金も受け取れないの?」

と心配になるかもしれません。

死亡保険金の受取人として特定の人が指定され、その人自身の固有財産として受け取るケースでは、一般に相続放棄をしても死亡保険金を受け取れる場合があります。

ただし、保険契約の内容によって扱いが変わる可能性があるため、必ず契約内容を確認してください。

また、相続放棄した人については、死亡保険金に関する相続税の非課税制度の扱いにも注意が必要です。国税庁は、相続を放棄した人を死亡保険金の非課税制度の対象となる「相続人」から除いています。

借金がある場合は、保険だけを見て判断せず、相続財産全体を確認しましょう。


死亡保険金の請求に必要なものは?

必要書類は保険会社や契約によって異なりますが、一般的には、

  • 保険会社所定の請求書
  • 死亡診断書など
  • 被保険者の死亡を確認できる書類
  • 受取人の本人確認書類
  • 受取口座が分かるもの
  • 保険証券

などを求められることがあります。

必要書類は自己判断で全部そろえるより、最初に保険会社へ連絡して確認する方がスムーズです。


よくある質問

Q. 親が生命保険に入っていたか分かりません

まず自宅にある保険証券・郵便物・通帳・メールなどを確認しましょう。それでも分からない場合には、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」を利用できる場合があります。

Q. 保険証券がなくても死亡保険金を請求できますか?

保険証券を紛失していても手続きできる場合があります。契約している保険会社が分かっているなら、まず保険会社へ問い合わせましょう。

Q. 死亡保険金は兄弟で分けなければいけませんか?

受取人が指定されている死亡保険金は、通常の遺産分割の対象となる財産とは扱いが異なります。受取人が受け取った後に他の人へ分けると、贈与税の問題が生じることもあります。

Q. 死亡保険金には必ず相続税がかかりますか?

必ずではありません。亡くなった方が保険料を負担していた場合など、契約関係によって税金の種類や扱いが異なります。また、相続人が受け取る死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」という非課税限度額があります。


まとめ|親が亡くなったら生命保険も忘れず確認しよう

親が亡くなった後は、銀行・役所・葬儀・相続など、さまざまな手続きが必要になります。

その中で見落としやすいのが生命保険です。

まずは、

①保険証券を探す
②郵便物や通帳を確認する
③保険会社へ連絡する
④死亡保険金の受取人を確認する
⑤必要書類をそろえて請求する

という順番で確認しましょう。

加入していた保険会社がどうしても分からない場合には、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」も選択肢になります。

また、親が亡くなった後には生命保険以外にも期限のある手続きがあります。

「まず何をすればいい?」という方は、『親が亡くなったらやること』の記事もあわせて確認してください。

-相続・手続き