
親の遺品を整理していたら、
「タンスから金色のネックレスが出てきた」
「K18と書いてあるけど、本当に金なの?」
「古くて切れているけど、捨てていいのかな?」
そんな場面は珍しくありません。
金やプラチナなどの貴金属は、アクセサリーとして古かったり壊れたりしていても、素材そのものに価値がある場合があります。
一方、金色だからといって、すべてが金とは限りません。
この記事では、親の遺品から金・貴金属らしいものが出てきたときに、自宅で確認できるポイントと、売却する前に知っておきたい注意点を分かりやすく解説します。
まずは捨てない!古くても価値がある可能性があります
遺品整理では、
「デザインが古い」
「黒ずんでいる」
「壊れている」
「片方しかない」
という理由で、アクセサリーを不要品として処分してしまうことがあります。
しかし、金やプラチナは違います。
例えば、
- 切れたネックレス
- 変形した指輪
- 片方だけのピアス
- 石が取れたアクセサリー
- 古いデザインのジュエリー
でも、金やプラチナが使われていれば価値が付く可能性があります。
「使えない=価値がない」ではありません。
価値が分からないものは、処分する前に一度確認しましょう。
→ 「遺品整理で売れるもの」
最初に確認したいのが「刻印」
金・貴金属らしいものが出てきたら、まず確認したいのが刻印です。
ネックレスなら留め具付近、指輪なら内側などに小さな文字や数字が刻まれていることがあります。
例えば金製品では、
K24
K18
K14
K10
などの表示があります。
数字は金の純度を表す目安になります。
K24
一般的に純金と呼ばれるものです。
K18
金の含有率が75%の合金です。
ジュエリーでもよく使われます。
K14
金の含有率が約58.5%。
K10
金の含有率が約41.7%です。
数字が大きいほど金の割合が高くなります。
「K18」と「K18GP」は同じではありません
ここは特に注意したいところです。
例えば、
K18
と
K18GP
は意味が違います。
K18は18金を示す代表的な刻印ですが、GPはGold Plated(ゴールドプレーテッド)を示し、一般的に金メッキを意味します。
そのため、
K18
=18金
に対して、
K18GP
=18金を使ったメッキ
という違いがあります。
見た目が似ていても、素材としての価値は大きく異なる可能性があります。
「750」と書いてある場合は?
「K18」の代わりに、
750
と刻印されていることもあります。
これは1000分率で金の純度を表したもので、750なら75%。
つまり、一般的にはK18相当を示します。
海外製ジュエリーでは、
750
585
417
などの数字が使われることがあります。
プラチナにも刻印があります
白っぽい金属だからといって、銀とは限りません。
プラチナ製品には、
Pt1000
Pt950
Pt900
Pt850
などの刻印が見られることがあります。
特に指輪やネックレスなどでは、金と同じように小さく刻印されている場合があります。
刻印があれば本物?
ここが重要です。
刻印だけで100%本物と判断することはできません。
刻印そのものが偽装されている可能性もありますし、古い製品や海外製品などでは一般的ではない刻印が使われている場合もあります。
反対に、
刻印が見つからない=金ではない
とも限りません。
刻印が摩耗して見えなくなっていたり、古い製品だったりする場合もあります。
そのため刻印は、
「判断材料のひとつ」
として考えましょう。
自宅でできる簡単な確認方法
専門的な鑑定はできなくても、自宅でいくつか確認できるポイントがあります。
① 刻印を見る
まず、
K18
K14
750
Pt900
などの刻印がないか確認します。
文字が非常に小さい場合があるので、スマートフォンの拡大機能やルーペを使うと見つけやすくなります。
② 磁石への反応を見る
一般的に金そのものは磁石に強く引き付けられる金属ではありません。
そのため、磁石へ強く付く場合は別の金属が使われている可能性があります。
ただし、
「磁石に付かない=本物の金」
とは判断できません。
磁石に反応しない金属はほかにもあります。
あくまで参考程度です。
③ 色が剥がれていないか見る
メッキ製品の場合、長年使用していると表面が摩耗し、内側の違う色の金属が見えることがあります。
留め具や指輪の内側など、摩擦が起きやすい場所を確認してみましょう。
自分で削ったり薬品を使ったりしない
インターネットで調べると、
「削って確認する」
「薬品を使う」
といった方法が出てくることがあります。
しかし、遺品の場合はおすすめしません。
もしブランドジュエリーや価値のある品物だった場合、自分で傷を付けることで商品としての価値を損なう可能性があります。
「本物か分からない」
という段階なら、無理に自分で判定しない方が安心です。
箱や保証書がなくても捨てない
親の遺品の場合、
「箱がない」
「保証書がない」
「いつ買ったのか分からない」
ということも多いでしょう。
だからといって、価値がないとは限りません。
金やプラチナなどは素材自体が査定対象になる場合があります。
また、ブランドジュエリーなら、素材だけでなくブランドやデザインなどが評価される場合もあります。
そのため、
アクセサリー本体だけでも一度確認する
という考え方で大丈夫です。
石が付いているジュエリーはどうする?
指輪やネックレスには、
- ダイヤモンド
- ルビー
- サファイア
- エメラルド
などの宝石が付いている場合があります。
この場合、
金属部分だけの価値
とは限りません。
宝石そのものやブランド、ジュエリーとしての価値が評価される可能性もあります。
「金の重さだけで売る」のではなく、ジュエリー全体を見てもらうことも大切です。
金・貴金属を売る前に家族へ確認
ここは遺品ならではの注意点です。
亡くなった親が所有していた貴金属は、相続財産となる可能性があります。
例えば、
母の遺品から金のネックレスが出てきた
↓
長女が自分の判断で売却
↓
後から兄弟が知った
となれば、
「どうして勝手に売ったの?」
というトラブルになりかねません。
特に高価なものについては、相続人同士で確認してから売却するのが安心です。
売るなら写真と査定記録を残しておく
相続人が複数いる場合は、
何を売ったのか
いくらだったのか
が後から分かるようにしておくと安心です。
例えば、
売却前に写真を撮る
↓
査定明細を受け取る
↓
売却代金を記録する
という方法があります。
現金だけ残って、
「この30万円は何を売ったお金?」
とならないようにしておきましょう。
どこで売ればいい?
売却先としては、
貴金属を扱う買取店
ブランド・ジュエリー買取店
リユース店
などがあります。
また、自分で売るならフリマアプリやネットオークションという方法もあります。
ただし金・宝石などは、
「そもそも何なのか分からない」
というケースがあります。
その場合は、価格を自分で決める前に査定してもらう方法もあります。
→ 「遺品はどこで売る?」
1店舗の査定だけで決めなくてもいい
金・貴金属の査定額は、業者によって違う場合があります。
特に、
ブランドジュエリー
宝石付きジュエリー
高額な貴金属
などは、査定の考え方が違うことがあります。
査定額に納得できなければ、その場で売らず、別の店舗でも査定してもらう方法があります。
「査定してもらった=売らなければならない」
ではありません。
訪問買取には注意
遺品整理をしている家庭では、訪問購入のトラブルにも注意が必要です。
消費者庁は、不要品の買取りをきっかけに訪問した業者から、貴金属やブランド品などの売却を強く求められるトラブルについて注意喚起しています。
例えば、
「古着や食器を買います」
と言われて呼んだのに、
「貴金属はありませんか?」
と話が変わるケースです。
消費者庁は、買取りを希望していない物品を見せないことや、契約書面に物品名・価格が具体的に記載されているか確認するよう案内しています。
訪問購入にはクーリング・オフ制度もある
訪問購入では、特定商取引法の対象となる取引について、法定書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフできる仕組みがあります。
また、訪問購入には事業者の氏名等の明示や書面交付などのルールがあります。
ただし、対象外となる取引・物品などもあるため、具体的なケースでは消費生活センターなどへ確認してください。
金を売ったら税金はかかる?
ここは記事に入れておいた方がいいポイントです。
金地金などを売却して利益が出た場合、原則として譲渡所得の対象になります。
また、国税庁によると、通常の生活用動産の売却による所得は原則非課税ですが、貴金属・宝石・書画・骨とうなどで1個または1組の価額が30万円を超えるものについては、この非課税の扱いから除かれます。
そのため、
「遺品を売ったら絶対に税金はかからない」
とは言えません。
高額な貴金属や金地金などを売却する場合は、税務署や税理士へ確認すると安心です。
「親がいくらで買ったか分からない」場合もある
遺品では、
「30年前に父が買ったらしいけれど、購入価格が分からない」
ということもあります。
税金の計算では取得費などが関係するため、購入時の領収書や明細、保証書などが残っている場合は、売却前に捨てないようにしましょう。
遺品整理では、アクセサリーだけ残して書類を先に捨ててしまわないことも大切です。
遺品の金・貴金属チェックリスト
- □ K18・K14などの刻印を確認
- □ 750など数字の刻印も確認
- □ K18GPなどメッキ表示と混同しない
- □ プラチナの刻印も確認
- □ 壊れていても捨てない
- □ 箱・保証書がなくても捨てない
- □ 自分で削ったり傷を付けたりしない
- □ 宝石付きならジュエリー全体を見てもらう
- □ 売却前に家族へ確認
- □ 売却前の写真を残す
- □ 査定明細を保管
- □ 高額なら複数査定も検討
よくある質問
Q.K18と書いてあれば本物ですか?
K18は18金を示す代表的な刻印ですが、刻印だけで本物と断定することはできません。
不安な場合は専門店などで確認してもらいましょう。
Q.K18GPは18金ですか?
一般的に「GP」はGold Platedを意味し、金メッキを示す表示です。
K18そのものとは異なります。
Q.切れた金のネックレスでも売れますか?
金が使われている製品であれば、壊れていても素材として価値が付く可能性があります。
自己判断で捨てないことをおすすめします。
Q.片方だけのピアスは?
片方だけでも、金やプラチナなどが使われていれば査定対象になる場合があります。
Q.査定してもらったら売らないとダメ?
査定額に納得できなければ売却しないという選択もできます。
高価なものは、複数の査定を比較する方法もあります。
まとめ|「古い・壊れている」だけで捨てない
親の遺品から金色のアクセサリーが出てきたら、
①まず捨てない
↓
②刻印を確認
↓
③箱・保証書なども探す
↓
④家族に確認
↓
⑤必要なら査定
↓
⑥納得してから売却
という順番がおすすめです。
特に、
K18とK18GPの違いが分からない
刻印がない
本物か分からない
という場合に、無理に自分で判定する必要はありません。
遺品整理では、価値の分からないものを「古いから」と捨ててしまうことの方が問題です。
一度分けて保管し、落ち着いて確認しましょう。