
生前整理や実家の片付けをしていると、たくさんの「もう使わないもの」が出てきます。
「古いから捨てよう」
「何年も使っていないから価値はないだろう」
そう考えて処分してしまう方も少なくありません。
しかし、古い時計やアクセサリー、カメラ、ブランド品、切手など、自分では価値がないと思っていたものに値段がつくことがあります。
一方で、何でも売ればいいわけではありません。
特に亡くなった方の遺品の場合は、相続財産が含まれている可能性があります。
この記事では、
- どんなものが売れるのか
- 何を捨てずに確認したほうがいいのか
- どこで売ればいいのか
- 遺品を売るときに注意すること
- 売れないものをどう処分するのか
を順番に解説します。
終活では「残す・売る・処分する」の3つに分けよう
生前整理では、いきなり「いる・いらない」で判断すると整理が進まなくなることがあります。
おすすめなのは、
①残す
②売る
③処分する
の3つに分ける方法です。
① 残すもの
今後も使うもの、思い出の品、家族に引き継ぎたいもの、重要書類などです。
② 売るもの
自分や家族は使わないけれど、中古品として価値がありそうなものです。
③ 処分するもの
売却が難しく、今後も使用しないものです。
判断できないものは、無理にその場で決める必要はありません。
「保留」の箱をひとつ作っておくのもおすすめです。
生前整理・遺品整理で売れるもの
「こんなものまで売れるの?」という品物に値段がつくことがあります。
代表的なものを見てみましょう。
貴金属・アクセサリー
金・プラチナ・銀などを使ったアクセサリーは、古くても売却できる可能性があります。
たとえば、
- 指輪
- ネックレス
- ブレスレット
- ピアス・イヤリング
- 金杯
- 金貨
- インゴット
などです。
デザインが古かったり、チェーンが切れていたりしても、素材そのものに価値がある場合があります。
特に「K18」「750」「Pt900」「Pt850」などの刻印があるものは、捨てずに確認しておきましょう。
ブランド品
バッグや財布などのブランド品も、中古市場で売却できる代表的なものです。
多少使用感があっても、ブランドやモデルによっては値段がつく場合があります。
箱・保存袋・保証書・購入時の付属品などが残っている場合は、商品と一緒に保管しておきましょう。
腕時計
古い腕時計も、すぐに処分しないほうがよいもののひとつです。
有名ブランドだけでなく、モデルや製造年代によって中古市場で需要がある場合があります。
「動かないから売れない」と決めつけず、価値が分からないものは一度確認してみましょう。
カメラ・レンズ
フィルムカメラや古いレンズなども、中古市場で取引されています。
長年押し入れにしまわれていたものでも、メーカーや機種によって価値が残っていることがあります。
本体だけでなく、
- レンズ
- ストロボ
- ケース
- 取扱説明書
- 元箱
なども一緒に確認しましょう。
切手・古銭・記念硬貨
昔集めていた切手や古銭が、実家から大量に出てくることもあります。
すべてが高額になるわけではありませんが、発行年代や種類、保存状態などによって価値が異なります。
「額面が小さいから」と捨てず、まとめて確認するのがおすすめです。
骨董品・美術品
掛け軸、陶器、茶道具、絵画などは、一般の人には価値を判断しにくい分野です。
古くて汚れているからといって、価値がないとは限りません。
作者名や箱書きなどがある場合は、箱も一緒に残しておきましょう。
昔のおもちゃ・コレクション
意外と見落としやすいのが、昔集めていた趣味の品です。
たとえば、
- 鉄道模型
- ミニカー
- フィギュア
- レコード
- トレーディングカード
- 昔のおもちゃ
- 限定品
- 記念品
などです。
コレクター向けの商品は、古いこと自体が価値につながるケースもあります。
売る前に絶対に確認したいもの
特に遺品整理の場合は、家の中にあるものをいきなり売却するのはおすすめできません。
先に、
相続や各種手続きに必要なものが混ざっていないか
を確認しましょう。
たとえば、
- 現金
- 通帳
- キャッシュカード
- 印鑑
- 有価証券
- 保険証券
- 不動産関係書類
- 貴金属
- 借入金に関する書類
- 遺言書
などです。
亡くなった方が所有していた財産は相続の対象となる可能性があります。
複数の相続人がいる場合は、価値のある遺品を一人の判断で売却せず、相続人同士で確認してから進めるほうが安心です。
→ 「遺品整理とは?いつから始める?やること・進め方・注意点」
不用品を売る4つの方法
売るものを決めたら、次は「どこで売るか」です。
売却方法によって、手間や向いている品物が違います。
① 店頭買取
買取店へ品物を直接持っていく方法です。
その場で査定してもらえるため、
「すぐに売りたい」
「自分で持ち運べる」
という場合に向いています。
一方、大量の荷物や大型品にはあまり向きません。
② 出張買取
査定員に自宅まで来てもらう方法です。
実家の整理などで、
「品物が多すぎて持っていけない」
という場合に便利です。
ただし、自宅で売買契約をすることになるため、納得できない場合はその場で契約しないことも大切です。
訪問購入では、法律で定められた書面を受け取った日から8日間は原則としてクーリング・オフが可能で、期間中は対象物品の引き渡しを拒むことができる仕組みもあります。対象外となる物品などもあるため、実際の取引では契約内容を確認してください。
③ 宅配買取
品物を箱に詰めて買取業者へ送り、査定してもらう方法です。
近くに専門店がない場合や、店舗へ行く時間がない場合に便利です。
利用するときは、
送料・査定料・キャンセル時の返送料
まで確認しておきましょう。
④ フリマアプリ・ネットオークション
自分で価格を設定して販売できる方法です。
品物によっては買取店より高く売れる可能性があります。
一方で、
写真撮影
↓
商品説明を書く
↓
購入者とのやり取り
↓
梱包
↓
発送
まで自分で行う必要があります。
大量の遺品を一度に整理したい場合には、負担が大きくなることもあります。
結局、どの方法で売ればいい?
迷った場合は「何を優先するか」で考えると分かりやすくなります。
| 重視したいこと | 向いている方法 |
|---|---|
| すぐに売りたい | 店頭買取 |
| 大量にある | 出張買取 |
| 店舗まで行けない | 宅配買取 |
| 自分で価格を決めたい | フリマアプリ |
| 専門性の高い品物 | そのジャンルの専門買取 |
特に価値が高そうなものは、1社だけで即決せず、複数の査定を比較する方法もあります。
「無料で全部回収します」には注意
売れなかったものを処分するときにも注意点があります。
家庭から出る廃棄物を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要です。
環境省も、無許可の回収業者を利用しないよう注意を呼びかけています。
また、「古物商の許可がある=家庭ごみを回収できる」という意味ではありません。
売れないものを処分するときは、まず自治体のルールを確認しましょう。
生前整理で売るメリット
生前整理で不用品を売るメリットは、お金になることだけではありません。
大きいのは、
自分で判断できることです。
「これは残したい」
「これは売っていい」
「これは○○に渡したい」
と、自分の意思で決められます。
さらに、物を減らしておけば、将来家族が行う遺品整理の負担も小さくできます。
遺品を売ったら税金はかかる?
ここは読者が気になりやすいので、記事に入れておきたいポイントです。
一般的な家具や衣服など、生活に通常必要な動産を売ったことによる所得は、原則として課税されません。
ただし、貴金属・宝石・書画・骨董などで、1個または1組の価額が30万円を超えるものについては、この非課税扱いから除外されます。
また、不動産などを相続して売却する場合は扱いが大きく異なります。
相続した土地・建物では、原則として被相続人の取得費や取得時期を引き継ぐ仕組みがあり、一定の場合には相続税額の一部を取得費に加算できる特例もあります。
高額な遺品や不動産を売却する場合は、税務署や税理士などへ確認すると安心です。
買取業者を選ぶときの5つのポイント
大切なものを売却するときは、「高く買います」という言葉だけで決めないようにしましょう。
① 査定内容を説明してくれるか
なぜその金額になったのか説明してくれる業者を選びます。
② 手数料を確認する
査定料、出張料、送料、キャンセル料などを確認します。
③ その場で売却を急かされないか
「今日だけこの価格です」などと契約を急かされた場合は、一度考える時間を取りましょう。
④ 専門分野を確認する
時計、骨董品、カメラなどは、専門知識によって査定額に差が出ることがあります。
⑤ 複数社を比較する
高価なものほど、複数の査定を比較する方法があります。
よくある質問
Q. 古いものでも売れますか?
古くても売れる可能性があります。
特に時計、カメラ、貴金属、骨董品、コレクション品などは、古さだけでは価値を判断できません。
Q. 壊れているものは売れませんか?
品物によります。
腕時計、アクセサリー、カメラなどは、壊れていても部品や素材などに価値がある場合があります。
すぐに捨てず、査定対象になるか確認してみましょう。
Q. 遺品を勝手に売っても大丈夫ですか?
注意が必要です。
亡くなった方の所有物には相続財産が含まれる可能性があります。複数の相続人がいる場合は、他の相続人と確認してから進めましょう。
Q. 査定してもらったら必ず売らないといけませんか?
査定を受けたからといって、必ず売却しなければならないわけではありません。
金額に納得できなければ、いったん持ち帰って検討するのもひとつの方法です。
まとめ|「捨てる」は最後に考えよう
生前整理や遺品整理では、たくさんの不要品が出てきます。
しかし、
古い=価値がない
とは限りません。
まず、
残す
↓
売る
↓
処分する
の順番で考えてみましょう。
価値が分からないものは、捨てる前に一度確認する。
それだけでも、まだ使えるものを無駄に処分することを防げます。
そして、生前整理であれば、売却して得たお金を自分自身のこれからの暮らしに使うこともできます。
物を減らすことは、単なる片付けではありません。
これからの暮らしと、家族に残す負担を整理することでもあります。