実家じまい・空き家

実家じまいの費用はいくら?片付け・売却・解体にかかるお金をわかりやすく解説

「実家じまいをしたいけれど、いくらかかるの?」

「家の中に荷物がたくさんあるけれど、全部処分したら高そう……」

「家を売れば、費用はかからない?」

実家じまいを考え始めたとき、特に気になるのがお金のことではないでしょうか。

実家じまいでは、家財の片付けだけでなく、清掃、登記、不動産売却、場合によっては建物の解体など、さまざまな費用が発生する可能性があります。

一方で、すべての家庭に同じ費用がかかるわけではありません。

家をそのまま売却できれば解体費用は不要ですし、自分たちで片付けられる部分が多ければ処分費用を抑えられることもあります。

大切なのは、「実家じまい全部でいくら?」と考えるのではなく、何にお金がかかるのかを一つずつ分けて考えることです。

この記事では、実家じまいで発生する主な費用と、費用を抑えるために知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。


実家じまいには何のお金がかかる?

実家じまいで考えられる主な費用は、次のとおりです。

費用主な内容
家財整理・不用品処分家具・家電・衣類などの整理
遺品整理業者へ整理を依頼する場合
清掃ハウスクリーニングなど
修繕売却・賃貸前に修理する場合
登記相続登記など
不動産売却仲介手数料など
解体建物を取り壊す場合
税金売却による譲渡所得など
維持管理固定資産税・保険・庭の管理など

これらすべてが必要になるわけではありません。

たとえば、「家財を整理して、そのまま中古住宅として売却する」のであれば、大規模なリフォームや解体をしないという選択もできます。

まずは実家をどうするのか決める前に、必要になりそうな費用を洗い出してみましょう。


① 家財整理・不用品処分にかかる費用

実家じまいで最初に大きな作業になりやすいのが、家の中の片付けです。

長年暮らした家には、家具、家電、洋服、食器、本、布団など大量の荷物が残っていることがあります。

費用を左右するのは、単純な部屋数だけではありません。

荷物の量、処分するものの種類、搬出経路、トラックの台数、作業人数、地域の処分方法などによって変わります。

そのため、「3LDKだから必ず○万円」というように考えない方がよいでしょう。

業者へ依頼する場合は、電話だけで金額を決めず、可能であれば現地を確認してもらったうえで見積もりを取ると安心です。


② 遺品整理を業者へ依頼する費用

親が亡くなった後に実家を整理する場合には、遺品整理業者へ依頼する方法もあります。

自分たちで整理する場合との大きな違いは、単に「ゴミを捨てる」のではなく、残すものや処分するものなどを仕分けながら進められるサービスがあることです。

ただし、サービス内容は業者によって異なります。

見積もりでは、

仕分け

搬出

処分

簡易清掃

買取

などのうち、何が料金に含まれているのか確認しましょう。

「基本料金は安かったけれど、当日に追加料金が発生した」とならないよう、追加料金が発生する条件も事前に確認しておくことが大切です。


③ ハウスクリーニング・清掃費

実家を売却したり貸したりする前に、清掃を依頼する場合があります。

ただし、売却するなら必ず専門業者によるハウスクリーニングが必要というわけではありません。

古い家の場合、買主が購入後にリフォームすることもあります。

そのため、不動産会社へ相談する前に高額な清掃やリフォームを行うのではなく、

「この状態なら、どこまで手を入れた方が売りやすいですか?」

と確認してから判断するのがおすすめです。


④ 修繕・リフォーム費用

壁紙、床、水回り、屋根などが古くなっていると、「きれいに直してから売った方が高く売れるのでは?」と思うかもしれません。

しかし、リフォームにかけた費用をそのまま売却価格へ上乗せできるとは限りません。

買主が自分好みにリフォームしたいケースもあります。

特に実家じまいでは、片付け → リフォーム → 解体と先にお金を使うのではなく、まず不動産の価値と売却方法を確認することが重要です。


⑤ 相続登記などにかかる費用

亡くなった親名義の実家を相続した場合には、相続登記についても確認が必要です。

相続登記は2024年4月1日から申請が義務化されています。

相続登記では、登録免許税のほか、戸籍等の必要書類を取得する費用などが発生することがあります。

また、司法書士へ登記手続きを依頼する場合には、その報酬も必要です。

登録免許税は原則として不動産の価額をもとに計算します。相続による土地の所有権移転登記については本来0.4%ですが、一定の条件を満たす土地には2027年3月31日まで免税措置があります。

自分のケースが対象になるかわからない場合は、法務局や司法書士などへ確認しましょう。


⑥ 実家を売却するときにかかる費用

「家を売るなら、お金を受け取るだけでは?」

と思うかもしれませんが、不動産売却にも費用が発生する場合があります。

代表的なのが、不動産会社へ支払う仲介手数料です。

仲介手数料には上限が定められています。たとえば物件価格1,000万円の場合、国土交通省が示す計算例では、売主または買主の一方から受け取れる仲介手数料の上限は39万6,000円(税込)です。

なお、2024年7月1日から、物件価格800万円以下の「低廉な空家等」については特例が設けられています。この場合、依頼者の一方から受け取れる仲介手数料は、一定の条件のもと33万円(税込)以内が上限となります。

実家の価格が低い場合には、この特例が関係する可能性があることも覚えておきましょう。


⑦ 建物を解体するときの費用

古い実家では、

「建物を壊して更地にしてから売ろう」

と考えることもあるでしょう。

解体費用は、建物の構造、床面積、立地、重機が入れるか、廃材の量、アスベストの有無などによって大きく変わります。

そのため、全国共通の金額だけを見て判断するのはおすすめできません。

そして、ここで特に注意したいのが、

売却方法を決める前に解体しないこと。

古家付き土地として売れる可能性もありますし、買主側が建物を利用したい可能性もあります。

まず不動産会社などへ相談し、

「建物を残した場合」

「解体した場合」

の両方で売却方法を検討するとよいでしょう。


解体費用に補助金が使えることもある

自治体によっては、一定の条件を満たす空き家の解体について補助制度を設けている場合があります。

国土交通省も、空き家を解体する際、市区町村の補助金を利用できる場合があるため、空き家の所在地にある自治体へ確認するよう案内しています。

つまり、

解体業者と契約する前に自治体へ確認する

のがおすすめです。

制度の対象となる建物、補助額、申請時期などは自治体によって異なります。

工事を始めてからでは申請できない制度も考えられるため、必ず事前に確認しましょう。


⑧ 実家を所有し続ける場合にも費用がかかる

実家じまいをすぐにしない場合でも、費用がゼロになるわけではありません。

空き家を所有している間には、

固定資産税

火災保険等

電気・水道など

庭木・草刈り

清掃

修繕

遠方なら交通費

などが発生する可能性があります。

国土交通省も、使用目的のない空き家が20年間で約212万戸から386万戸へ増加していることや、空き家の放置には資産価値低下などのリスクがあると案内しています。

「まだ決められないから残す」という選択もできますが、残した場合に毎年どれくらいお金がかかるかも把握しておきましょう。


実家じまいの費用を抑える7つの方法

① まず家をどうするか決める

最も大切なのはこれです。

売却するのか、貸すのか、残すのか、解体するのか。

方向性が決まっていない状態で片付けやリフォームを進めると、不要な費用が発生する可能性があります。


② 自分でできる片付けは少しずつ進める

すべてを業者へ任せれば、その分作業量が増えます。

親が元気なうちから、

「今日は食器棚だけ」

「次は洋服だけ」

と少しずつ整理しておけば、将来の負担を減らせます。


③ 売れるものを先に確認する

実家の中には、処分費用を払って捨てなくても売却できるものがあるかもしれません。

たとえば、

  • 貴金属
  • 時計
  • ブランド品
  • カメラ
  • オーディオ
  • 骨董品
  • 美術品
  • 古いおもちゃ
  • 未使用の贈答品

などです。

価値がわからないものは、捨てる前に査定を受ける方法があります。

「売れるものを確認 → 残ったものを処分」の順番にすると、処分量そのものを減らせる可能性があります。


④ 複数の見積もりを比較する

片付け、遺品整理、解体などを業者へ依頼するときは、可能であれば複数社から見積もりを取りましょう。

ただし、見るのは総額だけではありません。

作業内容・処分費・人件費・車両費・追加料金の条件などを比較します。

極端に安い場合も、何が料金に含まれているのか確認しましょう。


⑤ 売却前に勝手にリフォームしない

数百万円かけてリフォームしたからといって、売却価格が同じだけ上がるとは限りません。

まず不動産会社へ査定を依頼し、現状のまま売却する場合も含めて検討しましょう。


⑥ 解体する前に査定する

これも重要です。

「古い=壊した方がいい」とは限りません。

建物を残したまま売却する方法もあるため、解体前に不動産会社などへ相談しましょう。


⑦ 自治体の補助制度を確認する

空き家の解体や改修などについて、自治体独自の補助制度が利用できる場合があります。

「どうせ対象にならない」と決めつけず、実家のある市区町村のウェブサイトや窓口で確認してみましょう。


費用を抑えたいなら「片付け」から始めない?

実家じまいというと、最初に家の中を空っぽにしたくなるかもしれません。

しかし、おすすめしたい順番は少し違います。

① 家族で話す → ② 名義を確認する → ③ 家をどうするか検討する → ④ 査定・見積もりを取る → ⑤ 必要な範囲で片付ける

この順番です。

売却方法によっては、「全部片付けてください」と言われないこともあります。

また、先に解体してしまえば、建物を利用したい買主へ売却する可能性はなくなります。

お金をかける前に、選択肢を知る。

これが実家じまいの費用を考えるうえで大切なポイントです。


実家じまいの見積もりで確認したいチェックリスト

業者へ依頼するときは、次の項目を確認してみましょう。

確認すること
□見積もりに含まれる作業内容
□処分費用
□搬出・車両費
□追加料金が発生する条件
□買取できるものがあるか
□キャンセル料
□作業日数
□作業後の清掃範囲
□解体の場合は補助制度の対象か
□不明な費用が記載されていないか

「一式○万円」だけではなく、何にいくらかかるのかがわかる見積もりを確認しましょう。


実家じまいの費用についてよくある質問

Q.実家じまいには結局いくら必要ですか?

家財量、建物の広さや状態、売却・解体の有無などによって大きく異なります。「実家じまい一式」で考えるのではなく、家財整理・登記・売却・解体など必要な項目ごとに見積もると把握しやすくなります。

Q.家を売れば実家じまいの費用は全部まかなえますか?

売却価格によります。また、不動産売却では仲介手数料などの費用や、条件によって税金が発生する場合があります。売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。

Q.古い家は解体してから売った方がいいですか?

必ずしもそうではありません。古家付き土地として売却できる場合もあるため、解体する前に不動産会社などへ相談しましょう。

Q.解体費用に補助金はありますか?

自治体によって、一定の条件を満たす空き家の解体費用を補助する制度がある場合があります。国土交通省も、空き家所在地の市区町村で確認するよう案内しています。

Q.相続登記にもお金がかかりますか?

登録免許税や書類取得費などがかかる場合があります。司法書士へ依頼する場合には別途報酬も必要です。一定の土地については登録免許税の免税措置が設けられています。


まとめ|「総額」より先に、必要な費用を整理しよう

実家じまいには、家財整理、清掃、登記、不動産売却、解体など、さまざまな費用が発生する可能性があります。

しかし、すべての家庭にすべての費用が必要なわけではありません。

大切なのは、

実家をどうするのか決める

必要な作業を洗い出す

査定や見積もりを取る

使える制度を確認する

それからお金をかける

という順番です。

特に、「古いから解体」「汚れているからリフォーム」「荷物が多いから全部処分」と先に決めてしまわないようにしましょう。

まず選択肢を知ることで、必要のない出費を減らせる可能性があります。

大切な実家だからこそ、焦らず、一つずつ整理していきましょう。

気になったときが、そなえどき。

これからの暮らしを、ちょっと安心に。

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