
「終活って、何歳から始めればいいの?」
「まだ50代だけど、終活を考えるのは早すぎる?」
「70代になってからでも間に合う?」
終活が気になり始めると、まず迷うのが「始める年齢」ではないでしょうか。
結論からいうと、終活を始める年齢に決まりはありません。
40代から始めてもいいですし、50代・60代・70代から始めても遅すぎるということはありません。
大切なのは年齢そのものよりも、
「自分のこれからについて考えてみようかな」
と思ったタイミングです。
この記事では、40代・50代・60代・70代それぞれで考えておきたい終活を、無理なく始められるように整理してご紹介します。
終活を始める年齢に決まりはない
終活というと、「高齢になってから始めるもの」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、終活には年齢制限も、決められた開始時期もありません。
むしろ、
・親の介護が気になり始めた
・子どもが独立した
・退職が近づいてきた
・実家の片付けを考え始めた
・自分や家族が入院した
・相続について考える機会があった
など、人生の変化が終活を考えるきっかけになることがあります。
終活の一部とも関係する「人生会議(ACP)」についても、厚生労働省は、もしものときの医療やケアについて前もって考え、家族や大切な人などと話し合っておく取り組みとして紹介しています。
つまり、「○歳になったから始める」というより、
気になったときが、始めどき。
と考えてよいでしょう。
何歳から?年代別・終活でやっておきたいこと
同じ終活でも、40代と70代では生活環境や優先したいことが違います。
そこで、年代別におすすめの内容を整理してみましょう。
| 年代 | まず考えたいこと |
|---|---|
| 40代 | 親のこと・自分の情報整理 |
| 50代 | 老後のお金・実家・持ち物 |
| 60代 | 退職後の暮らし・財産・相続 |
| 70代 | 医療・介護・財産・葬儀など具体的な希望 |
| 80代以降 | 必要な情報と希望を家族等と共有 |
これは「この年代なら必ずこれをする」という意味ではありません。
自分に必要なところから始めれば大丈夫です。
40代の終活|まずは「自分と親」のことから
40代で「終活」と聞くと、
「まだ早いのでは?」
と思うかもしれません。
しかし40代は、親の年齢が上がり、介護や実家について考え始める人も増えてくる年代です。
自分自身についても、仕事・家族・住宅・保険など、さまざまな情報が増えています。
40代でやっておきたいこと
- 家族や緊急連絡先を整理する
- 保険の内容を確認する
- 銀行口座などを整理する
- スマートフォンやネットサービスを整理する
- 親の希望を少しずつ聞いてみる
- 実家について家族で話してみる
- エンディングノートを知っておく
40代の終活では、葬儀やお墓を細かく決める必要はありません。
まずおすすめしたいのは、「自分に何かあったとき、家族が困らない状態にしておくこと」です。
たとえば、
「保険証券はここ」
「重要書類はこの引き出し」
といった情報を整理するだけでも役立ちます。
50代の終活|これからのお金と暮らしを考える
50代になると、退職後の生活が少しずつ現実的になってきます。
子どもが独立したり、住宅ローンの終わりが見えてきたりする方もいるでしょう。
一方で、親の介護や実家の問題が現実になってくるケースもあります。
50代でやっておきたいこと
- 老後資金を確認する
- 預貯金・保険・資産を整理する
- 不要な口座や契約を見直す
- 持ち物を少しずつ整理する
- 実家を将来どうするか話し始める
- 親の介護について確認する
- エンディングノートを書き始める
ここで大切なのは、
「亡くなった後のお金」だけではなく、「これから自分が使うお金」を考えること。
旅行をしたい。
趣味を楽しみたい。
家をリフォームしたい。
こうした「これからやりたいこと」も一緒に考えてみましょう。
終活は、財産を残すためだけのものではありません。
60代の終活|退職をきっかけに整理する
60代は、退職や働き方の変化などによって、生活が大きく変わりやすい年代です。
時間に余裕ができたタイミングで、これまで後回しにしていたことを整理するのもよいでしょう。
60代でやっておきたいこと
- 預貯金・保険・不動産を一覧にする
- 相続について考える
- 遺言が必要か検討する
- 不要なものを整理する
- 医療や介護について考える
- 今後の住まいについて考える
- 葬儀・お墓について希望があれば整理する
- 家族へ重要な情報を伝える
特におすすめなのが、財産の一覧を作ることです。
銀行名や保険会社、不動産などを書き出すだけでも構いません。
法務局が公開しているエンディングノートも、家族が判断や手続きをするときに必要な情報を残すことに加えて、これまでの人生を振り返り、これからの人生を考えるきっかけとして活用できる内容になっています。
70代の終活|希望を「伝わる形」にする
70代になったら、
「自分の希望を周囲がわかる状態にしておく」
ことを少し意識してみましょう。
頭の中で決めていても、家族や周囲の人が知らなければ、いざというときに希望を確認できない可能性があります。
70代でやっておきたいこと
- エンディングノートを見直す
- 財産情報を整理する
- 遺言について必要性を検討する
- 医療・介護について希望を話す
- 緊急時の連絡先を共有する
- 身の回りのものを整理する
- 葬儀・お墓について希望を伝える
- スマートフォンなどのデジタル情報を整理する
医療やケアについては、一度決めたら変更できないものではありません。
厚生労働省も、人生会議では気持ちが変わることがあるため、その都度、繰り返し話し合うことが大切だとしています。
「前はこう思っていたけど、今は違う」
でも大丈夫です。
そのときの自分の気持ちを伝えていくことが大切です。
80代から終活を始めても遅くない?
もちろん、80代からでも始められます。
全部を完璧に整理しようとすると負担になるので、特に重要なことから始めましょう。
優先したい5つ
① 緊急連絡先
誰に連絡してほしいのか。
② 医療・介護
希望していることや、相談してほしい人。
③ お金・重要書類
銀行、保険、不動産、重要書類など。
④ 葬儀・お墓
希望がある場合は家族等へ伝える。
⑤ 大切な人へ伝えたいこと
これは手続きではありませんが、とても大切な終活です。
すべてを一人で整理する必要もありません。
必要に応じて家族や信頼できる人と一緒に進めましょう。
終活は元気なうちに始めると進めやすい
終活で扱う内容には、
- 書類を探す
- 持ち物を整理する
- 家族と話す
- 金融機関やサービスを確認する
- 専門家へ相談する
など、自分で判断したり行動したりする必要があるものもあります。
そのため、「いつかやろう」ではなく、できることだけ元気なうちに進めておくと安心です。
ただし、焦る必要はありません。
今日すべてを決めなくても大丈夫です。
年代に関係なく、まずやってほしい3つ
「結局、私は何から始めればいいの?」
という方は、次の3つだけやってみましょう。
1|ノートを1冊用意する
市販のエンディングノートでも、普通のノートでも構いません。
2|緊急連絡先を書く
家族や親族など、もしものときに連絡してほしい人を書きます。
3|気になっていることを3つ書く
たとえば、
「親の介護」
「実家」
「自分のお金」
でもOKです。
これだけでも、自分が次に何を考えればいいのか見えやすくなります。
「親にも終活してほしい」と思ったら
自分の終活より難しいのが、親の終活かもしれません。
「そろそろ終活したら?」
と突然言われると、親側は、
「早く死ねということ?」
と受け取ってしまう可能性もあります。
そのため、
「私も保険とか整理しようと思ってるんだけど」
「この前、エンディングノートの記事を見たよ」
「もし入院したら、誰に連絡すればいい?」
など、自分の話や日常の話題から入る方が話しやすいでしょう。
終活は無理にやらせるものではありません。
少しずつ話せる関係をつくることから始めましょう。
よくある質問
Q.終活は何歳から始めるのが一般的ですか?
「○歳から」という決まりはありません。
生活環境や家族構成によっても適切なタイミングは異なります。
厚生労働省の「人生会議」に関する意識調査でも、医療・ケアについて話し合う時期について「年齢は関係ない」という回答が28.4%で最も多くなっています。
Q.40代で終活するのは早すぎますか?
早すぎるとは限りません。
40代なら、本格的な相続準備というより、保険・口座・重要書類・デジタル情報などの整理から始めると取り組みやすいでしょう。
Q.70代からでも間に合いますか?
始められます。
特に、緊急連絡先、財産、医療・介護の希望など、重要な情報から整理していきましょう。
Q.一度決めたことは変更してもいいですか?
もちろんです。
家族構成、財産、健康状態、自分の考え方などは変化します。
定期的に見直しましょう。医療・ケアについての「人生会議」も、厚生労働省は繰り返し話し合うプロセスを重視しています。
まとめ|何歳からでも、気になったときが「そなえどき」
終活には、
「○歳になったら始めなければならない」
という決まりはありません。
40代なら、自分と親のことから。
50代なら、これからのお金や実家のこと。
60代なら、財産や退職後の暮らし。
70代なら、自分の希望を伝わる形に。
そして80代からでも、できることはあります。
全部を一度に終わらせようとしなくて大丈夫です。
まずはノートを開いて、
「今、気になっていること」
をひとつ書いてみる。
そこから始めてみませんか。
気になったときが、そなえどき。
これからの暮らしを、ちょっと安心に。